統率の外道と評された特攻。特攻の話になると、必ずと言っていいほどSNSでは論争が起こる。特攻は犬死であると発言する者が現れ、それを否定する者が現れ、個人の思想を土台に、戦略・戦術レベルでの戦果を批評し合う。互いの定義が定まっていないまますれ違い続けるが、そんなことはどうでも良く、ネット戦士達はバーチャル空間で勇敢にバトルする。国内の親米保守勢力は、特攻を抽象化して戦争を美化しようとし、アメリカの属国を前提とした逞しい国防論を展開する。そもそも日本人なのかも怪しい左翼勢力は、言霊の存在しない日本語を、言語ツールとして中途半端に使いこなし、特攻から日本人の在り方へと論点をズラしながら抽象化し、革命思想を背景に中傷するためにただ中傷をする。どちらにも属さない人達が彼らに巻き込まれ、振り回され、思想を注入され、罵り合うのは夏の風物詩である。